スクラップ・アンド・ビルド
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勝手に書籍レビュー
久しぶりに流行りに乗った本を読みました。やっぱり主婦はお得感が大切なので、文藝春秋で読みたかったの2本読破しました。とりあえず、本日は「スクラップ・アンド・ビルド」の感想をちょっと書いてみようと思います。
作家 羽田圭介のキャラ
まず、話題になっていた「火花」よりも先にこっちが読みたくなり、真っ先に読んだのですが、その理由はテレビ番組です。 「アウト×デラックス」に出演されていて、そのキャラがなかなかインパクトがあり興味をそそられたのです。
料理はなんでも「大量生産」だとか、結婚した女友達と会っても何の意味もないとか、受賞の瞬間はデーモン小暮の化粧で熱唱してただとか…
なんか話すこと話すこと、意外とその辺にいる一般人の面白いお兄さんなんです。ただし、どこか普通じゃないんです。面白いことが好きな人だと思います。ぶっちゃけまくってます。ちなみに、失礼ながらセレブ感はありません。(笑)
文藝春秋買っても印税入ってこないとか言ってたので、後ほど単行本購入させていただこうと思います。本も面白かったです。(笑)
書籍の感想(以下、ネタバレあり)
日本語でタイトルを考えると、直訳ですが「壊して、建てる」という意味ですよね。スクラップにするというぐらいめちゃくちゃに破壊するわけですが、また何かを建てることがタイトルから推測されます。でも、何の書評も読まず、聞かず、読んだ私はそれが何のことか最初はわかりませんでした。
読み進めるうちにこのタイトルに妙に納得!
家で介護をされている方は様々なご苦労があると思います。この本の中では介護を受けているのは主人公(28歳)の母方のおじいさんです。介護されながら泣き言を言い続けるおじいさん、それを聞いている主人公や主人公の母親の反応。どれをとっても、よくあることだと思います。一番近い身内にはズケズケ言ってしまいます。それが回復を想ってしていることならば、言葉や態度が悪くなっても…
そんなところに共感しっぱなしでした。私の家ではありませんが、叔父がやはり祖父に厳しかったので。優しくするだけでは介護はできないものなのだなと思いました。私もまた厳しく当たっていた叔父に「もっと優しくしてあげればいいのに」と思っていたクチなので、ちょっと反省です。
主人公はある日、おじいさんを何らかの形で殺すことを考えるのですが、その方法がまさに「スクラップ(壊す)」なのです。精神から崩壊させることを目論むという方法。その間の主人公の迷いはさもありなんと思うし、主人公のキャラは途中から作者そのものなんじゃないかと思うような筋トレ青年になるしで、私はおもしろくて吸い込まれました。介護する人を取り巻く日常を気持ちの機微も加えて余すことなく書いたような本だと思います。
この話の終わりには主人公(職なし)の再就職先が決まって実家を出る場面があるのですが、それはまさに「ビルド(建てる)」部分なのだと思います。彼の将来やおじいさんの将来をいろいろイメージさせる終わり方で余韻に浸りながら終わります。
詳しく調べてもいないので、なんですが…
「これ、続き出ませんかね?」なんてちょっと思ってしまいました。
以上、長々とおつきあいくださり、ありがとうございました。
時間があったら、「火花」のほうも書きます。