ベトナムはカンニング天国
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今週のお題「テスト」ということで思いだしたんですが、ベトナムはカンニング天国でした。
要領よくやってナンボ。
特に日本語学校は小学校や中学校などとは違うからか、カンニングするのが当たり前。
試験の時は隣同士の机をできるだけ離し、互い違いの列に組み、他の学生の回答が見えないようにする。
そして、カバンの中に携帯や教科書を入れさせて、ホワイトボード前に集めます。
それでも、カンニングする人はします。
日本の学校でカンニングする人を見たことなかったから、最初衝撃的でした。
ある試験の日のこと
日本語学校でクラス最後のレベルアップの為の試験を行いました。この試験を通らなければ上のクラスには進めません。
受け持っていたクラスは0初級からみんな一緒に持ち上がって来たのでとても仲が良く団結力のあるクラスでした。
しかし、このクラスには全然クラスについていけないけれど、ムードメーカーで元気な男の子(以下、A君とします。)がいました。
この日の試験もいつもどおりカバンを集め、机をできるだけ離し、カンニング対策をしました。
ホワイトボードにはわざわざベトナム語で
「カンニングは禁止です。カンニングを見つけたら、その試験は採点しません。すぐに退出して帰ってもらいます」
と大きく書きました。
それでも、事件は起こりました。
試験が始まってしばらくするとお調子者のA君が一生懸命消しゴムを細かく切って投げ始めました。
前に座っていた女の子はクラスで一番日本語ができる子です。
とりあえず様子を静かに見守りました。
そしたら、女の子が気がつきました。その瞬間、小声で
「答えわからないから、見せてよ」
と思いっきりカンニングを頼み始めました。(笑)
私がベトナム語わからないと思ってのことです。(実は話さないだけで、学生が思ってるよりもわかった。笑)
そして、思いっきり彼女の答案を覗き込んだのです。
例えわからないとしても試験中に喋る時点でアウトです。体調不良などなら、私に言うように最初に伝えてありましたから。
そこで、私が普通にA君に
「A君、あなたはカンニングしました。私はテストを見ません。教室を出てください!」
と言ったら、まさか本当に退出を促されると思ってなかったらしいA君はパニック!
「先生、ごめんなさい!でも、大丈夫でしょ?」
みたいなふざけた感じだったので、
「ダメなもんはダメ!帰りなさい!」
と毅然とした態度で言ったら、キレたと思ったのか他の学生が大慌て。
(ベトナムでは先生がすごーく敬われています。)
カンニングされた子も他の学生も
「先生、A君を許してあげてください。」
とベトナム語でお願いしてきました。
最終的に、私に日本語で言わなければと慌てた彼女は
「A君はブサイクです。」
と全く意味不明なことを言い始めました。
私が戸惑ったので、
一瞬、教室中が凍りつきました。
たぶん、辞書で見て覚え違えていたか、そもそも日本語の辞書がおかしいことがあったので、辞書そのものが間違っていたのか…
でも、それが妙におかしく…笑
この状況で「ブサイク」?????
どーゆうことなのか。
さっぱりわかりません。
意味不明です。
いきなり話の流れが止まりました。笑
笑いたいけど状況的に笑えません。
さりげに、サラッと悪口を言われたことになるA君…
でも、彼女にはそんな気持ちはこれっぽっちもありません。
すごいすごーい我慢しました。
一生懸命話したことで笑われたら、話すのも嫌になるかな?と思ったのと試験中だから教室を通常の試験中に戻すことに必死でした。
なんとか他の子には試験に戻ってもらいましたが、結局、この日はA君の試験は無効とし追試を行うことにしました。それを聞いてみんな一安心したようで、なんとか試験は終わりました。
(そもそもA君以外はもう回答が終わってた。)
後日、彼女に
「本当は何て言いたかったの?」と聞いてみたら、
「A君はいたずらっ子だから、許してあげて」
と言いたかったのだそう。
正 イタズラ
誤 ブサイク
すごい違い…笑
やっと、そこで言葉が違うことを教えて、2人で笑うことができました。
それでも、拙い日本語でしたが、なんとか伝えようとする姿勢は素晴らしいことだと今でも思います。
お題のおかげで、懐かしいことを思い出せました。
また、いつか仕事に復帰したいな〜。